ChatGPTで作った画像は刺繍にできる?AIのロゴ・イラストを入稿する前の作り方|横浜の刺繍店が解説

ChatGPT などの画像生成AIで作ったロゴやイラストは、刺繍にできます。横浜の刺繍工房 BROOKSTAR stitch にも、AIで作った画像でのご相談が増えています。ただ、画面できれいに見える画像と、糸で縫える図案は別のものです。この記事では、AIの画像で起きやすいこと、刺繍に向く画像をAIに作らせる指示文の例、入稿のしかたをまとめました。

結論:AIで作った画像でも刺繍にできます

AIで作った画像かどうかで、お受けできるかどうかは変わりません。見るのは「糸で縫える形になっているか」と「ほかの人が権利を持つデザインに当たらないか」の2点です。

画像をそのまま刺繍機に入れて縫えるわけではありません。画像をもとに、当店で刺繍用のデータ(針の動きを指定したデータ)を作ります。このとき、糸で出せない部分は形を整えます。

  • 色がはっきり分かれた、平らな絵は刺繍に向いています。
  • 細い線、グラデーション、影、小さな文字は、太くする・色を分ける・外すなどの調整が入ります。
  • 既存のキャラクターやブランドのロゴそのもの、見分けがつかないほど似た画像は、AIで作ったものでもお受けできません。
Harbor Lightsの支給原稿と刺繍したロゴの比較
原稿と仕上がりの比較。文字の欠けを残し、面の中の細かな汚しを整理した実例。刺繍化するときの再現範囲を示す参考写真です。AI生成画像からの制作実績を示すものではありません。制作事例を見る →

AIの画像でよく起きること

画像生成AIは、指示が短いほど、細部を描き込んだ見栄えのよい絵を出します。画面で見るぶんにはきれいですが、胸元の8cmほどの刺繍にすると、次のようなことが起きます。

AIの画像でよくあること 刺繍にするとどうなるか どう整えるか
細かすぎる線や模様 糸には太さがあるので、細すぎる線は刺繍では表現できません。 線を太くする、細かい模様を省く、全体を大きくする。
グラデーション・影・光沢 糸は1色ずつ縫うので、なめらかな色の変化は出ません。 1色にまとめる。または2〜3色に区切って塗り分ける。
色数が多い 似た色がいくつも使われていると、糸では区別がつきにくくなります。色が増えると料金も上がります。 近い色を1色にまとめる。
背景が付いている 背景も刺繍する範囲なのか、判断がつきません。面積が広がると料金も変わります。 背景は白一色か透過で作る。刺繍したい範囲を一言添える。
画像が小さい・粗い 輪郭がぼやけて、細部の形を読み取れないことがあります。 AIが出した元の画像を、縮小せずに送る。
左右のずれ・細部の破綻 指の本数、左右で形の違う飾り、途中で切れた線なども、そのまま縫えば刺繍に出ます。 直したい箇所を伝える。気になる箇所だけAIに作り直させる。
写真のような絵 立体感や質感は糸で再現できません。 平らなイラストに作り直す。
「刺繍風」に描かれた絵 AIが糸目や布の凹凸まで描き込みます。これは刺繍の写真のような絵で、図案としては使いにくくなります。 「刺繍にする前の平らな図案」として作らせる。

いちばん多いのは、複雑すぎて刺繍では出せない絵

当店に届くAIの画像でいちばん多いのは、細かい線や模様、色数、陰影が多く、そのままでは刺繍で出せない絵です。画面では細部まで見えていても、刺繍する大きさに縮めると、線はつながり、近い色は見分けがつかなくなります。

画像を作る段階で、線を太く、色を少なく、模様を省いておくと、元の絵に近い形で刺繍にできます。作らせ方は、下の「刺繍に向く画像をAIに作らせるコツ」にまとめました。

「刺繍風」と頼まないほうがよい理由

「刺繍風のロゴ」「ワッペン風の画像」と頼むと、AIは仕上がった刺繍の写真のような絵を出します。糸の光り方や縫い目の凹凸が描いてあり、完成イメージとしては分かりやすいのですが、実際の刺繍は糸の向きや密度を当店で設計するため、絵のとおりの縫い目にはなりません。図案として必要なのは、形と色の境目がはっきりした平らな絵です。

刺繍で出せる細かさの目安

当店では、きれいに刺繍できる最小サイズを次のように決めています。画像の上での大きさではなく、刺繍する実際の大きさでの数字です。

  • 英字の高さ:大文字8mm以上、小文字6.5mm以上
  • 漢字・かなの高さ:10mm以上
  • 線の太さ:1.5mm以上(サテン縫いの場合。これより細い線は、細い線縫いになります)
  • 刺繍と刺繍のすき間:1.5mm以上

たとえば横幅8cmで刺繍する場合、1.5mmの線は図案の幅のおよそ50分の1です。画像を拡大して見ていると細い線も太く見えるので、刺繍する大きさで紙に印刷して、定規を当ててみると分かります。

色数は4色までが追加料金なしです。5色目からは1色につき1枚あたり70円が加わります。AIの画像は、同じ赤に見えても濃淡の違う色がいくつも使われていることがあるので、何色で縫うかを決めておくと話が早く進みます。

これを下回る部分は、小さな文字を外す、線を太くする、全体を大きくするなどの簡略化をご提案します。数字の詳しい説明はよくあるご質問の「細かいデザインでも刺繍できますか?」にあります。

ヤシの木と犬・猫をサテン刺繍とタタミ刺繍で表現したロゴのアップ
PET SITTER OASIS様。葉はサテン刺繍、幹やペットはタタミ刺繍で表現。制作事例を見る →

刺繍に向く画像をAIに作らせるコツ

AIには、刺繍の都合を先に伝えます。伝えることは次の7つです。

  • 平らなイラストにする(立体感・影・光沢・糸や布の質感を入れない)
  • 線は太く、均一にする
  • 色数を決めて、ベタ塗りにする(1〜4色)
  • グラデーションを使わない
  • 背景は白一色にする
  • 文字は入れない(入れたい文字は別に伝える)
  • 細かい模様や小さな部品を省き、単純な形にする

うまくいかない指示の例

かっこいい刺繍風のロゴを作って。店名の「〇〇」も入れて。

この指示だと、糸の質感や影の付いた絵になり、細かい飾りが増えます。店名の文字も絵の一部として小さく入り、刺繍では潰れやすくなります。

指示文の例1:お店やチームのロゴマーク

刺繍にするためのロゴマークの図案を作ってください。 モチーフは【例:コーヒーカップと湯気】です。 ・平らなイラストにしてください。立体感、影、光沢、糸や布の質感は入れないでください。 ・線は太く、均一にしてください。細い線は使わないでください。 ・色は【例:黒と赤】の2色だけを使い、ベタ塗りにしてください。グラデーションは使わないでください。 ・細かい模様や小さな部品は省いて、遠くから見ても形が分かる単純な形にしてください。 ・文字は入れないでください。 ・背景は白一色にしてください。 ・正方形の画像で、モチーフを中央に大きく配置してください。

指示文の例2:丸いワッペン用の図案

丸いワッペンにするための図案を作ってください。 外側に太い円の枠を1本、その内側に【例:柴犬の顔】を大きく描いてください。 ・平らなイラストにしてください。刺繍の縫い目、布の質感、影、立体感は描かないでください。 ・色は3色以内のベタ塗りにしてください。グラデーションは使わないでください。 ・線は太く均一にしてください。二重の枠線や細い縁取りは付けないでください。 ・毛並みなどの細かい線は省いて、色の面で表してください。 ・文字は入れないでください。 ・背景は白一色にしてください。

指示文の例3:いまある画像を刺繍向けに作り直す

すでに気に入った画像がある場合は、その画像をAIに渡して、次のように頼みます。

この画像を、刺繍にするための図案に描き直してください。 形と構図は変えないでください。 ・色を3色以内のベタ塗りにまとめてください。 ・影、グラデーション、光沢をなくしてください。 ・線を太くして、細かい模様は省いてください。 ・文字はすべて消してください。 ・背景を白一色にしてください。

【 】の中と色数は、作りたいものに合わせて書き換えてください。1回で決まらないときは、「線をもっと太く」「色を2色に」のように、直したい点を1つずつ足していくと近づきます。

入稿のしかた

お見積りフォームから、画像を添付して送ってください。ChatGPT で保存した画像は、そのまま送れます。

  • 送れる形式:JPEG・PNG・WebP・PDF(1ファイル10MBまで、5ファイルまで)
  • 画面のスクリーンショットではなく、AIが出した元の画像を縮小せずに送ってください。
  • 画像は1枚あれば足ります。

画像と一緒に、次のことを書いていただくと、お返事が早くなります。

  1. 刺繍する物と場所:Tシャツの左胸、キャップの正面、など。
  2. 刺繍の大きさ:横幅で何cmくらいか。決まっていなければ「左胸のワンポイントくらい」で構いません。
  3. 入れたい文字:文字の内容。書体(フォント)が決まっていれば、その名前。
  4. 色の希望:何色で縫いたいか。画像の色から変えたい箇所があれば、その色。
  5. 変えたくないところ:簡略化しても残したい部分。
  6. 枚数

当店で行う作業と料金

いただいた画像をもとに、刺繍データを作ります。当店では、ソフトの自動変換は使わず、糸の向き・密度・縫う順番を、デザインと生地に合わせて1点ずつ手作業で組み立てています。糸で出せない部分は、このときに形を整えます。どこを変えるかは、デザインを拝見してからお伝えします。

費用は、基本は型代(刺繍データの製作代・初回のみ)と刺繍加工代の2つです。

  • 型代は、大きさとデザインの内容で決まります。5×5cmまでの単純なロゴやマークで2,500円から、細かく複雑なデザインは7,700円からが目安です。金額はデザインを確認してから確定します。
  • 大きな描き直しが必要な画像は、型代とは別に料金がかかります。金額はデザインを拝見してお見積りします。
  • 色は4色まで追加料金なし、5色目からは1色につき1枚あたり70円です。
  • 糸の色は、糸見本から近い色を選びます。DIC・PANTONE の色番で指定する場合は、1色につき1,100円がかかります。
  • 1〜9枚のご注文には、小ロット対応費2,200円がかかります。
  • お持ち込みの品に刺繍する場合は、購入価格が税込5,000円以下の品が対象です。

単純な形の図案ほど、型代は低い区分に入ります。AIに単純な絵を作らせることは、仕上がりだけでなく費用の面でも意味があります。大きさごとの金額は料金ページのシミュレーターで確認できます。

通常の納期は、ご注文・ご入金の確定から7営業日以内の発送が目安です(枚数により変わります)。

権利について:AIで作った画像でも同じです

当店は、ほかの方が権利を持つデザインを、権利者の許諾なしに刺繍することはしていません。アニメ・ゲーム・漫画のキャラクター、アパレルブランドやスポーツチームのロゴ・エンブレム、芸能人やアーティストの写真やロゴが当たります。ご自身で着る1枚でも同じで、AIで作った画像でも変わりません。

「〇〇風」のように、画風(タッチ)が似ているだけの画像は問題ありません。

  • 既存のキャラクターやロゴそのもの、見分けがつかないほど似たものはお受けできません。作品名、キャラクター名、ブランド名を指示に入れて作ると、そうした画像が出やすくなります。
  • 実在の人物に似せた画像も同じ扱いです。
  • 名前を入れずに作った画像でも、AIが既存のロゴやマークによく似たものを出すことがあります。お店やチームの顔として長く使うものは、入稿の前に画像検索などで似たものがないか見ておくと安心です。

AIで作った画像を商売に使えるかどうかは、使ったAIのサービスの利用規約によります。規約は変わることがあるので、販売する物に使う場合は、作ったサービスの最新の規約を確認してください。

当店の考え方は刺繍データの納品と権利についてにまとめています。

よくある質問

ChatGPTで作ったロゴを、そのまま刺繍できますか?

刺繍にできますが、画像のまま縫うことはできません。画像をもとに当店で刺繍データを作り、細い線やグラデーションなど糸で出せない部分は形を整えます。色がはっきり分かれた平らな絵ほど、元の画像に近い形で刺繍にできます。

AIで作った画像が1枚しかなくても頼めますか?

頼めます。JPEG か PNG の画像が1枚あれば、そこから刺繍データを作ります。Illustrator などのデータは必要ありません。画面のスクリーンショットではなく、AIが出した元の画像を送ってください。

何色まで使えますか?

4色までは追加料金がかかりません。5色目からは、1色につき1枚あたり70円が加わります。AIの画像は色数が多くなりやすいので、近い色をまとめて4色以内にすると、費用も抑えられ、仕上がりもはっきりします。

グラデーションや影のある画像は、どうなりますか?

グラデーションや影は、そのままの形では刺繍に出ません。1色にまとめるか、2〜3色に区切って塗り分ける形に置き換えます。どちらにするかは、デザインを拝見してご相談します。

有名なキャラクターに似た画像をAIで作りました。刺繍できますか?

キャラクターそのもの、見分けがつかないほど似たものはお受けできません。画風(タッチ)が似ているだけなら問題ありません。AIで作った画像でも、既存のキャラクターやブランドのロゴは、権利者の許諾がない限り刺繍していません。ご自身で考えたモチーフ、自社やご自身のお店のロゴ、お名前やチーム名の文字はお受けできます。

Gemini など、ChatGPT 以外のAIで作った画像でも同じですか?

同じです。どのAIで作ったかは関係なく、糸で縫える形かどうかで見ます。この記事の指示文は、ほかの画像生成AIにもそのまま使えます。

この記事で判断できること

この記事では、AIで作った画像を刺繍にするときに起きやすいこと、刺繍に向く画像を作らせる指示文、入稿のしかたを整理しました。ロゴ刺繍の基本は刺繍ロゴとは?種類・メリットと失敗しない作り方、小さな刺繍の大きさと位置はワンポイント刺繍のデザインの決め方、ワッペンにする場合はワッペンとパッチの違い・使い分けに書いています。

細かいロゴを刺繍向けに整えた実例は、刺繍で潰れないようロゴを調整した持ち込みTシャツの制作事例でご覧いただけます。

横浜でAIの画像を刺繍にするご相談

BROOKSTAR stitch は、横浜市保土ケ谷区の自社工房で刺繍データの制作から刺繍までを行っています。AIで作った画像は、デザインを拝見して、刺繍にできるか、どこを変えるとよいかをお返事します。型代はおおよその目安で、デザインによって変動しますので、デザイン確認後に確定します。

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